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外資系金融機関に勤務する外銀マンが日々マーケットや政局に対する考察を書き綴るブログです。
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2012年1月8日

ユーロ解体の影響 −ギリシャ、ポルトガルなどの重債務国への影響

本日は、シリーズ「ユーロ解体の影響」と題し、当事国それぞれにどのような影響があるか、私見をまとめることにします。


まずは、ユーロ解体がまことしやかにささやかれ始めた直接的な原因であるギリシャ、ポルトガルなどの重債務国への影響です。


以前の記事でも多少触れましたが、重債務国にとって、ユーロが解体するというのは死亡宣告に近いです。


ユーロが解体するとなると、自国通貨で今後やりくりしていくことになりますが、これらの国を債務超過としている借金そのものはすべてユーロ建てです。


なので、ユーロが解体しても、これらの国が借金返済に充てる通貨はユーロでなければいけません。


この状況を以下に簡単にまとめてみました。


例えばユーロが解体したとして、(ユーロという通貨自体は当面存続しますので)ギリシャは旧通貨のドラクマ(独自通貨と呼びます)に戻したとします。


ギリシャの経済力はGDPでみて世界30位近辺です。さらに、昨今の緊縮財政でGDPのマイナス成長が予想されています。また、景況感がきわめて悪いことから、ギリシャの金利水準は当面低水準になるでしょう。


結果、ユーロに対するギリシャの独自通貨の価値は相当に低くなります。


独自通貨の価値が低くなると、ギリシャからすれば借金の額がぐんぐん増えていくようなものです。


独自通貨を対ユーロでペッグ(スイス中銀が最近やっていますね)するなどの手立てはありますが、ヘッジファンドや個人投資家、機関投資家が猛烈に独自通貨を売り浴びせる中、これに耐えられるだけの財源がギリシャ政府にあるとは考えられません。


こうなると、もはやデフォルトを選択するしかありません。


デフォルトしても、観光以外には産業が乏しいギリシャです。デフォルトの影響で国際金融界から締め出される中、経済的復興までには数十年単位の時間がかかるでしょう。


ユーロという低金利かつ強力な通貨に守られ、ギリシャは現在まで生きながらえてきたのです。


以上の例はギリシャを題目に取り上げましたが、ポルトガル、スペイン、ひいてはイタリアでも状況は同じです。


いや、同じといいましたが、少し違います。何が違うかというと、デフォルトした際に世界経済に与えるインパクトの大きさが違います。


フランスの銀行が抱えるイタリア国債の金額は、フランスのGDPの半分程度といわれています。巨大なのです。巨大すぎて、イタリアが破たんした場合、世界にどのような影響を与えることになるか、専門家ですらはっきりわかっていません。


ユーロが解体うるということは、重債務国のみならず、債権国(ドイツ、フランス)そしてアメリカや日本などの国際社会にとって、どうしても回避しなければいけないことなのです。


デメリット多数、メリットなしの選択支なのです。
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